日本テレビ安藤正臣プロデューサー(41)による視聴率不正操作問題で、関係者の処分が発表された18日夕から視聴者の同局への抗議電話などが殺到し、19日午後10時半までに約500件に上った。氏家斉一郎会長(77)がCEO(最高経営責任者)を辞任、萩原敏雄社長(67)が副社長に降格したが、代表権を持つ3人の顔ぶれは同じという図式に「処分が甘い」とする声が約半数を占めた。経済界からも批判が相次いだ。

「経済界からも批判」はあるだろうなあ。いかに番組内容を把握せずにビデオリサーチの数字に頼っていたかがバレちゃったんだからね。顔に泥を塗られたようなものだし。もっとも、トップの首を挿げ替えればそれでOKだと思っているようなところが、どうにもアレゲではありますな。
日テレのトップもこの際だから、
「だって数字が取れなきゃ、お前らCM出してくれねーだろうが」
とか言ってみるというのはどうか。お前らが数字至上主義を推進してきたんだろうが、とか。
そういう意味では、

また、番組スポンサー企業で構成する日本広告主協会は同日、「広告取引の重要指標である視聴率への信頼性を、根底から覆した事件の最大の被害者は広告主である」と、日テレを批判するコメントを発表した。

は正しいご意見だと思います。誰にとって正しい意見かは申しませんが。
一方、視聴者の皆さんは、

「役員全体がもっと厳しい処分を受けるべきだ」「社員だけの処分でいいのか」…。日本テレビの対応をめぐり、視聴者から批判の声が相次いだ。19日午後10時半までに電話265件、メール240件の計505件。「視聴率至上主義を見直すべき」「視聴率より記憶に残る番組を作ってほしい」といった意見もあった。

なんてことをおっしゃっていて、まあしかしこれは計505件(19日午後10時半までの数字だから、もしかすると大した数字ではないのかもしれないと思いつつ)の中から恣意的に選択されたコメントだからなんとも言えないけど、「視聴率より記憶に残る番組を」が笑止なのは昨日述べたとおり。「あー、あの番組はよかったよねえ」と言われたところで、そのときにはCMは付けられないのだよ。CM付きのDVDなんか見たくないし。
視聴率至上主義は止めようがないし、それであればその世界を生き抜いてきたトップを解雇するのは日本テレビ的に得策ではない。むしろビデオリサーチと同じような機能を有する機構を複数設けたほうが手っ取り早いのではないか。
もちろん、うがった見方というのはいつだって存在していて、たとえば今回の事件の一連の報道を見ていると、実はナベツネ下ろしへの布石と見ることだってできたりしなくもなかったりするような気もしなくもない。
そうだったら一番舐められているのは視聴者なんだけど、それは言わないお約束。