1月7日付の<¥>さんのコメントに返答しようとしたら、非常に長くなってしまったので、コンテンツとしてアップします。
セキュリティ、というかPCネットワークにおいて、警察が動くのはこれが初めてのことではないし、新聞沙汰になるのも(まあ一面はともかく)初めてではないです。ただ、今回の“事件”が、いわゆる「不正アクセス禁止法」と「見つけてしまった脆弱性」の関係を見直す契機にはなったかもしれません(ほとんど後ろ向きの論調が気になりますが)。
2chやニィ、MXなどの意図的な流出と異なり、
「ネットワークに参加することで意図せずにあなたの個人情報が漏れる可能性がある」
ことは事実ですし、悲しいことにその可能性の高いシステムが多数稼動していることは、ある意味、常識でもあります。
それを身をもって示し続けたのが、officeさんであり高木さんであると、私は認識してます。簡単に言ってしまえば“知らなければ別になんてことはない問題”なのかもしれませんが、それが秘めている問題点をきちんと指摘し可能性に目を向けさせてくれたのが、彼らだと思っています。彼らのそういった活動が、図らずも検証されたのが今回の一連の騒動だったと、私は見ています。
でも本当は、このようなツマラナイ結果*1を起こす前に検証すべきことだったはずですし、彼らが端緒を開いた時点で今以上に活発に議論されていなければならない話題だったようにも思えます。
われわれの悪い点は、警察が動いたりヒトジニが出ない限り、近しい出来事として認識できないところにあるようです。それは古来からずーっとそうだったわけですから、もう悪癖としか言いようがないかもしれません。
ただまあ、起こってしまったことは消せないわけですし、議論のきっかけがどうあれ、(良くも悪くも)われわれが日常の大半をすごす環境をセキュアにするための知恵の出し合いは悪いことではありません。この火が消えないことを祈るばかりです。
センセーショナルな新聞記事はありません。われわれが記事をセンセーショナルなものに仕立てるのです。2ヶ月もたってoffice潰しのような記事を掲載することがセンセーショナルなのではないのです。その記事がいまさらのような話題に終始し、大量の徒労感を残すだけの議論(と少量の有益な議論)を誘発する内容であることに憤りを感じているのです。
おそらく、これをきっかけにほんの一握りのユーザーが真摯に「不正アクセス禁止法」と「見つけてしまった脆弱性」について考えてくれると思います。<¥>さんがそれに期待するのと同じように、私も期待しています。そうでなければofficeさんの一連の行動が壮大なムダにしかならないじゃないですか。
ほかにも暴言は多々あるのですが、某氏から止められたのでやめておきます。いやあ、おれも大人になったもんだ。

*1:ホントにつまらないっ!