『面白半分』1977年9月号
この号はすごい。誰もがやろうとして誰もできなかったことを成し遂げた号なのだ。
1977年7月号で始まったタモリの「ハナモゲラ語の思想」が連載3回目にして原稿が落ちてしまうのである。通常なら「著者急病のため」といった断り書きがはいって、違うライターの原稿に差し替えられるのであるけれど、なんと予定されていた15ページからの4ページは白いまま製本されているのだ。
記事扉には、


タモリ氏の『ハナモゲラ語の思想』の原
稿は、まだ印刷所に到着いたしません。
白紙のままでお届けすることを深くお詫
び申し上げます。
とあり、続く右ページハシラには黒字に白抜きで「このページは、印刷ミスではありません。」という一文がある。
筒井康隆は後年、
「予定していた原稿がはいらなかったんだから、白いのは当然」
とうそぶいたらしいのだが、現場編集部は大変だったろうなあ。